人気ブログランキング | 話題のタグを見る

生活の雑記帳

ikkokukan.exblog.jp
ブログトップ

さざれ石

先日、三本木神明社(日進市三本木町廻間129番地)を訪れた。神明社境内の広い敷地には多くのお社が建立されている。そのことからも、三本木神明社はこの地域の守り神としての役割を大きく果たしている事が分かる。

また、この神社境内には、戦没者を祀る忠霊社があり、さらには日清日露戦争時の紀念碑が2基建立されている。そんな碑の間に「細石(さざれいし)」があった。たまに見かけるが神社にあるそこそこ大きいものを久しぶりに見た。

さざれ石は、『君が代』の歌詞にも出てくるけど、案外見たこと無いって人が多い石でもある。さざれ石は、細石と書くように、小さな石のことであるが、『君が代』で歌われるさざれ石は、長い年月をかけて小さな石が石灰質の作用などでまとまった塊となったものを歌っている。


『君が代』が出たのでもう一つ。『君が代』の歌詞の元になったもの和歌をご存じだろうか。平安時代、醍醐天皇の勅命により作られた勅撰和歌集、『古今和歌集』にその歌詞の元となった和歌が収められている。


  わがきみは ちよにましませ さざれいしの
            いはほとなりて こけのむすまで


大意
あなたは、千年も万年も長く生きてください。小さな石が大きな石となって苔が生えるほど長い先まで。


この歌は、巻第七 賀歌の最初に、「題知らず、よみ人知らず」として撰ばれており、初句と二句以外は『君が代』と同じである。後の写本などでは、現在知られる「きみかよは ちよにやちよに」となってくる。時代的に室町時代あたりからのものからはそうなっているようで、その辺りの時代には現在の『君が代』の歌は詠まれていたようだ。
本来、和歌で「君」という表現は好意をよせる相手に対してのもので天皇を指すものではないが、時代の中で天皇の存在をより強く伝えるため、勅撰和歌集の中に、天皇を意味を匂わせる「君」という表現のこの歌を(手直ししたのか、意を合わせたのか)後世に伝える事となったようである。


さて、難しいことはさておき、こうした事からも普段和歌になじみのない人でも、日本人なら誰もが知る『君が代』を知っていれば、和歌を1首は覚えていることになる。そんな、歌に詠まれた「さざれ石」も結構近くで目にしてるのかも知れない。

偶然に「さざれ石」境内で見つけ、徒然と書き綴る。


  したたりし汗を拭いし参道に いかがあらんやさざれ石 (筆者)



さざれ石_d0058658_21023423.jpg

さざれ石_d0058658_21023060.jpg






by ikkokukandesu | 2017-08-19 21:06 | ぶらっと

日常の戯れ言を徒然と・・・


by ikkokukandesu